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市民公開講座 レポート

2015.1.14

「認知症を知ろう!~みんなの笑顔のために~」

当院の母体である長岡記念財団は、長岡京市から「認知症施策総合推進事業」、「認知症・介護予防講座開催業務委託」、「認知症対応型カフェ運営委託」の3つの事業委託を受けています。今回、同事業の一環として、長岡京市立総合交流センターにおいて、「認知症を知ろう! ~みんなの笑顔のために~」というテーマで市民公開講座を長岡京市高齢介護課と共同で開催しました。

12月13日(土)市民公開講座

今回は、400名を超える参加者をお迎えして、関係各位のご協力によって市民公開講座を実施することができました。メインホールでは、小田豊長岡京市長のご挨拶のあと、長岡京市民生委員の竹内節子さんから、12月4日に行われた徘徊模擬訓練の報告がありました。また、第2部では、タレントの遥洋子さんをお迎えし、「愛だけでは介護できない」というテーマで講演が行われました。徘徊模擬訓練の報告では、今回初めてタブレット端末を使い、GPS操作をしながらの訓練があったことなどが紹介されました。そのうえで、年齢層によってはタブレット端末が使い辛いことが挙がりました。このほか、見守る側のご家族にも、徘徊高齢者に目立つ服装をしてもらったり、高齢者の着る衣服に反射シールを貼付したりするといった工夫が必要だとの意見がありました。

第2部の遥さんの講演は、芸能人仲間や自らの同級生を例に挙げ、「老いというものには勝てない」という話から始まりました。そして、次のとおり話されました。父親の認知症が原因で自らの結婚が破談になったことや家族による介護の実例を挙げ、「認知症の方に話すときは力を入れず、自然体で話すのがいい。一方、介護には、介護される方、する方の人間関係がよくも悪くも影響する。また、マニュアルどおりにやるのではなく、その人にあったクオリティの高い介護をすべきである」と続けられました。最後に、遥さんの両親のこれまでの生き様を見て、「(介護を受ける側は)嫌われるほどに好きに生ききってください。(介護する側は)苦労だけを背負わないで」と超高齢社会を生き抜くヒントの話で締め括られました。

講演終了後、長岡京市在住の大学生で結成された「長岡京金管アンサンブル-筍-」と、今夏、長岡京市に開校した立命館高等学校吹奏楽ボランティアの方の演奏に、来場者は思わず聞き入っていました。なお、特別展示室では、ファミリーや学生を対象に、「漫才やお芝居で学ぶ認知症サポーター養成講座」を開催し、多くの方が参加されていました。その他、2階市民ギャラリーでは、「ほっこりんぐ」による販売(障がい者福祉施設による販売)や㈱日本ロジックスによるQRコードを使った徘徊高齢者対策グッズの展示、日本電産シンポ株式会社による陶芸体験、スマイルケアによる介護用品の紹介等が行われました。

 

報告者:今堀 幸弘 (認知症対策推進室)

※上記文章は財団誌「ティータイム」2015年1月号の内容を編集して掲載しています。

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