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第12回認知行動療法ワークショップ開催報告
2017.12.20
第12回認知行動療法ワークショップ開催報告
医療社会事業部 心理課 臨床心理士 阿部郁美
当院主催の第12回認知行動療法ワークショップを8月27日に開催しました。今回は「事例検討とロールプレイ③」というテーマで、認知行動療法の見立てに相当するケースフォーミュレーションについて扱いました。当院心理課の若井貴史と山出健博が講師を務めました。
事例検討
午前中は、若井・山出両心理士から事例提供がありました。5~6人のグループに分かれ、提供された事例についてのグループワークを2回行いました。1回目は、与えられた情報から患者さまの認知的・行動的特徴を考え、介入方法をいろいろな角度から考えるワークで、2回目は、介入の良かった点について検討するワークでした。ともに活発な意見交換が行われました。全体シェアリングでは、「認知行動モデルを利用し図式化することは、患者さま自身の問題発見に役立つ」「心理教育を行うことは患者さまの治療へのモチベーション維持に効果的である」などの感想が述べられました。参加者はグループワークを通して、今後の活動に行かせるヒントを得ていました。
認知行動モデルとは
状況と、それに対する認知、感情、行動、身体という4領域での反応を視覚化し、どのような関係が成り立っており、影響を与えあって悪循環を作っているのかを考えるための作業アイテムのことをいいます。
ロールプレイ
午後には、午前に示された事例の内容に基づき、3人一組でカウンセラー・患者・観察者役になり、会話をしながら認知行動モデルの図を完成させるロールプレイを行い、体験をシェアしました。午前中のグループワークで出た意見や感想を意識しつつ、各々が役のイメージを作りながら、気持ちの追体験やセッションの場の雰囲気を感じていたようです。決められた時間内で会話と書き込み作業を行い、集中しつつも和気藹藹とした雰囲気で取り組んでいました。
まとめ
今回は、認知行動モデルを用いた見立てに焦点を当てて、参加者全員がモデル図の作成体験をしました。ワークを通して、会話の進め方や書き方、患者さまへのフィードバックなどについて多くの気づきがあったようでした。アンケートでも、5点満点で4.7点という高評価をいただきました。