アゼリアガーデン
訪問リハビリ通信VOL.28 平成29年11月
訪問リハビリ Daily Note
《退院後の生活》
訪問リハビリの実際のプログラムは、在宅ならではのものがあります。その具体例でよくあるのが、退院後の生活動作の評価や練習、住環境の調整です。
私が担当しているKさんの場合、入浴時に浴槽へ安全に出入りできることが一番の目標でした。シャワーだけならご家族の介助でできていましたが、浴槽の使用は訪問リハビリで評価し、練習してから始めたいという意向がありました。
まず、身体機能レベルに合わせた動作方法や介助方法、住環境の調整を考えました。そして、当センターの練習用の福祉用具をいくつか持ちこみ、練習を繰り返して、利用する福祉用具を絞りこみました。
浴槽の使用でよく問題になるのが出入りの方法です。Kさんは立ったまま浴槽をまたぐことが難しいので、座りながらまたぐ方法を考えました。入院中の試験外出では、浴槽の縁に腰かける方法で進めていましたが、実際試してみると不安定で恐怖心もあり、「バスボード」を活用する方法に変えました。
もう一つよく問題になるのが浴槽内での座り方です。筋力と動作レベルが低下した人は、底までしゃがむと立てない方が多いため、「浴槽内椅子」を入れて座ります。しかし、座面があまり高いとほとんどお湯につかれなくなるため、立ち上がりができそうな範囲で椅子の高さを低めに検討します。
さらに訪問リハビリでは空風呂で練習することが多いため、実際にお湯の浮力がある状況を想定することも必要です。Kさんの場合、福祉用具業者のご厚意で見本品を使って入浴することができたので、不安なくスムーズに決めることができました。
このように訪問リハビリは、筋力や持久力のような身体機能面のみでなく、実際の生活動作に介入して、生活上の具体的な支援を行うことも重要な役割のひとつです。
(OT 石橋)
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