お知らせ

心理課主催 第2回認知行動療法ワークショップ開催報告

2015.11.10

心理課主催 第2回認知行動療法ワークショップ開催報告

去る9月27日(日)に、長岡病院心理課主催の第2回認知行動療法ワークショップを開催しました。今回のテーマは「マインドフルネスを体験しよう」です。今流行のマインドフルネスを、ワークを通してたっぷりご体験いただく機会としました。ものすごい勢いで申し込みがあり、結局、約70名の参加がありました。

 

研修の内容

午前中はカンファレンスルームにて、講義を中心に行いました。マインドフルネスとは、今現在の体験に、意図的に、価値判断をすることなく注意を向けることを意味しています。たとえば、今行っている呼吸に意識的に注意を向け、それをただただ観察するのがマインドフルネスの実践になります。もちろん、呼吸に注意を向けていても、途中で何か別のことを考えて、しばらくはそのことに没頭してしまうこともあります。すなわち、心が「今、ここ」から別のところへさまよってしまうのです。これは心の特性ですのでしかたのないことですが、できるだけ早く、心がさまよったことに気づいて、また静かに呼吸に注意を戻します。これがマインドフルネスの訓練になるのです。このようなことを講義しました。

午前中の最後には、「レーズン・エクササイズ」と呼ばれるワークを行いました。これは一粒のレーズンを、五感をフルに駆使して味わいながら、ゆっくり時間をかけて食べるというワークです。今回は、約15分かけて召しあがっていただきました。ワークの後には、参加者が気づきを発表する場を設け、体験を共有しました。

午後からは体育館に移動して、丸3時間ほど、ワークを行いました。具体的には、ゆっくり歩いて、それに伴う身体感覚の変化に注意を向け続ける「マインドフルネス・ウォーキング」や、電車の音や波の音など、複数の音が同時に鳴っている音源を利用して、特定の音から特定の音へと注意を次々に移す訓練などを行いました。また、二人一組になって、相手の呼吸に注意を向け続けるというワークも実施しました。体験をシェアする時には、みなさん活発に会話され、これまでになかった新しい気づきも数多く発表してくださいました。

 

アンケート結果

研修後にアンケートをとりました。今回の中心的な目的であったワークに関しては、5点満点で平均4.5という評価をいただきました。また、自由記述欄に書かれた声をいくつか紹介します。

・講義の際、机がなかったのは少し不便でした。

・先生の話し方がおもしろくて、記憶に残りやすい研修会でした。

・利用者さんに勧められるように、まずは自分自身が継続していきたいです。

・実際に体験できたことで、理解がより深まりました。

・呼吸瞑想が、初めにやった時よりも、最後にやった時の方が楽にできるようになりました。

たくさんの申し込みをいただいたため、机を設置するスペースがなくなってしまって、ご不便をおかけしたことは申し訳なく思っております。ただ、体験を通して、頭だけではなく体でもマインドフルネスを理解していただけたようで、主催者として、目標を達成できたものと考えています。また、シンプルな呼吸瞑想の上達を実感された方もおられたので、その点もよかったです。
一番良かったワークもお聞きしました。すると、音に注意を向けるワークが圧倒的な支持を得ました。私の臨床ではそれほど積極的に使っていませんでしたので、今後はもう少し活用していきたいです。

 

次回のワークショップについて

次回は1月末か2月初め頃に開催予定です。テーマは、アンケートで要望が多かった認知再構成法か曝露反応妨害法を考えております。真剣な中にも笑いがあるような研修会を心がけたいと思っております。当院のもう一人の認知行動療法家にも講師デビューしてもらう予定ですので、ご期待ください。

 

文:若井貴史(医療社会事業部 心理課係長 臨床心理士)

※上記文章は財団誌「ティータイム」2015年11月号の内容を編集して掲載しています。

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